「妄想する」という表現をおもしろがって無邪気に使う若い方がいます。
似た表現で「想像する」という言葉がありますが、見えない潜在意識の分野に関わる言葉の線引きは難しいので、とらえ方は人によってさまざまです。
この記事では妄想と類語の違いを整理し、日本の精神医療の法改正の歴史と現状、妄想について知っておきたい点、潜在意識に潜む4つの落とし穴、注意点や対処法についても考察します。
さらに、どうすれば妄想や潜在意識に潜む4つの落とし穴を避けて活用でき、メンタル不調を未然に防ぎ、意義深い毎日を送れるかを説明してゆきます。
『妄想』の類語と定義
辞書による類語に、空想・想像・夢想・妄想という言葉が出てきます。
共通するイメージは、目の前に存在していない事物、現象など頭の中に思い描くこと、またその内容、ということになります。まず、それぞれの語句の定義をご紹介します。
空想(くうそう)
- 現実にあり得ないような事柄を想像すること。
想像(そうぞう)
- 実際に経験していない事柄などを推し量ること。また、現実に存在しない事柄を心の中に思い描くこと。
夢想(むそう)
- 夢に見ることや夢の中で体験すること。
- 夢のようにあてもないことを想像すること。空想すること。
- 「無双」と同じ意味。
- 夢の中に神仏が現れて教えを示すこと
妄想(もうそう)
- 根拠もなくあれこれと想像すること。また、その想像。
- 仏語。とらわれの心によって、真実でないものを真実であると誤って考えること。また、その誤った考え。妄念。邪念。
- 根拠のないありえない内容であるにもかかわらず確信をもち、事実や論理によって修正することができない主観的な信念。現実検討能力の障害による精神病の症状として生じるが、気分障害や薬物中毒等でもみられる。内容により誇大妄想・被害妄想などがある。
- 幻覚(げんかく)実際に感覚的刺激や対象がないのに、あるように知覚すること。幻視・幻聴など。
潜在意識に潜む 4つの落とし穴
定義を整理しますと、目に見えない精神や心理の分野で、空想・想像・夢想は肯定的また現象を表すのに対し、幻覚・妄想は、周囲を当惑させたり、悪影響や害を及ぼしかねないことがわかります。
そこで、問題や悪影響となる妄想にからむ要素を分け、潜在意識に潜む4つの落とし穴として、以下の対処しにくいキーワードが挙げられると思います。
- 虚言 客観的事実や根拠がなく 自分さえ欺く嘘
- 邪推 主観的で修正不可能な 害を及ぼす信念
- 洗脳 人を支配して操る マインドコントロール
- 幻覚 脳の機能障害による 病的な幻聴・幻覚
これらの要素に対して、どのような診断や対処がされてきたのか、見えない潜在意識の領域や心の病、日本の精神医療の理解を深めるため、歴史や法律についても振り返ってみましょう。
日本の精神医療 法改正の歴史
精神障害に関する最初の法律「精神病者監護法」は、治療ではなく社会に迷惑をかけないよう監督する責任を家族に持たせて監禁するもので、ドイツで科学的人道的精神医学を学んだ日本の精神医学の創立者呉秀三氏は「精神疾患をもって生まれた不幸に加え、この国に生まれた不幸」と非人道的扱いを嘆いたそうです。
敗戦後は、GHQ改革の中で、下記のような法改正の歴史をたどりました。
- 1950年 「精神衛生法」制定、精神病院は民間で強制入院社会防衛色濃い
- 1965年 法改正
- 1988年 精神障害者の非人道的扱いが国際的非難を浴びて「精神保健法」を制定1995年 「精神保健福祉法」で自立と社会経済活動参加
- 2005年 「障害者自立支援法」から「障害者雇用促進法改正」
- 2016年 「障害者差別解消法」
差別されていた歴史を裏づけるような法律が施行され、閉鎖的扱いから開放的扱いに変わり、病院医療から地域医療へと、流れが変わりつつあります。潜在意識の研究成果や理解も深まってきました。
潜在意識が メンタル不調も未然に防ぐ
意外にも、日本のメンタルヘルス有病率は米国に比べ低い数字です。
これは専門施設や、スタッフの量の不足に加え、アメリカが医療資源の活用に積極的なのに対し、日本は恥の文化からか差別や偏見が根強いためか、カウンセリングを受けたり受診することに心理的な抵抗が大きいために、潜在的な有病率はもっと高いといわれています。
さらに疾病群別DALY値のデータから、精神障害・精神疾患は、今や日本の最大の健康問題のひとつといえます。正しい知識に導く心理教育が、メンタル不調の予防には不可欠です。
出典; 「今日のメンタルヘルス(‘15)」放送大学大学院 石丸昌彦博士著
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残念ながら世界と比べ、日本の精神医療や心理領域、潜在意識の分野、心の病に対し、いまだに誤解・偏見・差別・先入観が根強く、消極的・否定的な傾向や意識の遅れがみられます。
誰もがストレスを抱える中、身近なメンタル不調や問題行動を見分け未然に防ぐために、学派を超えて潜在意識を活用、障害・疾患の正しい医学・心理学・脳科学的知識に基づく理解やセルフケアやセラピーが必要な時代になりました。
【注意点と対処法】潜在意識を理解・活用して 浄化する
とはいえ厳しい現状もあります。ストーカーや虚言癖など妄想が修正不可能な場合は特に注意すべきです。ニュース報道でご存知のように妬み・邪推・逆恨みから命まで落とす可能性があるからです。最古の記録によれば人類史最初の殺人は、カインの弟アベルに対する妬みによる殺人でした。
主観には認知のゆがみが入るため、情報源や客観的事実をよく調べ、依存したり騙されたり、脅されて操られないように注意しましょう。たとえ操られ騙されたとしても犯罪に加担する危険さえあります。
何事も自己責任で事実確認をした上で客観的に判断し、選択し、決断することが重要です。虚言癖は嘘を認めないという事実を受け入れ、期待することなく、一人で抱え込まず、必要な時のために事実関係を立証する備えをした上で、信頼できる専門家に相談することができます。
あおり運転に見られがちの、自分の進路を妨害されたと本気で思い込んで攻撃する加害者の根深い妄想による攻撃には録音やドライブレコーダーの記録他、警察や専門家に事実を提示して検証するしかありません。修正困難でも影響を受けないよう、相手の心理や状況を理解し対処することは可能です。
洗脳やマインドコントロールをされないためには、思い通り他者を支配コントロールしたくて、家族や親しい者から孤立させ、自分だけに依存させる傾向や可能性を見抜くことです。人の尊厳や財産や人生を傷つけ、奪うためには平気で人を欺き利用する者がいる事実や存在を認めることです。
- サイコパス(冷酷・無慈悲・尊大・ 良心の欠如 ・ 罪悪感の薄さなど特徴的性格)
- マニピュレーター(他人をずる賢いやり方で操作したり陥れたりしようとする人)
こうした人は、巧妙狡猾に他人を支配し苦しめることで、脳が快く反応する病的傾向があり注意です。
ご安心ください。対処法があります。変えられない相手を無理に正したり、変えようとせず「ありがとう、ありがとう」と日ごろから、繰り返し言葉で感謝することによって心が浄化されてゆきます。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
この記事では、人間の潜在意識の4つの落とし穴 妄想の難しさと対処法を考えてみました。
- 妄想の類語と定義 から空想・想像・夢想・妄想・幻覚の違い
- 潜在意識の4つの落とし穴 虚言・邪推・洗脳・幻覚
- 日本の精神医療の歴史と現状 を振り返って、現状を考察
- 潜在意識がメンタル不調も未然に防ぐ ことができる点を説明
さらに対処法として、言葉と潜在意識の有効性、感謝と浄化について説明しました。実際古代から現代の多くの成功者たちが、知恵の系譜としてこの方法で成果を挙げ例証しています。謙虚になるほど感謝が増して心も豊かに穏やかになり、悪い影響さえ気にならなくなることでしょう。
メンタルヘルスの鍵を握るといわれる管理監督者や人事担当者や読者の方々、今心が折れている方も、謙虚に心から感謝できることを数え、言葉に表す習慣で意識を高め、潜在意識を活用すれば不安や悩みも感謝に変わり、心を浄化できます。今どんな状況でも、潜在意識の4つの落とし穴を避けて自分を愛して人に優しく親切に、健康で豊かな人生を送る上で、このサイトが参考になれば何より嬉しいです。