思う、動く、叶う!―限界を突破するエネルギー/沢田 秀雄
¥1,575
カンブリア宮殿で『逆境からの復活劇』
~不可能を可能にしたカリスマ社長~
ハウステンボス 社長
澤田 秀雄(さわだ・ひでお)氏を観ました。
長崎県佐世保市のテーマパーク「ハウステンボス」
ディズニーランドの1.5倍の広さの敷地には、オランダの街並みが再現されている。
しかし開業以来18年間、一度も黒字化はなし!
回復へ向け、様々な試みが行なわれるも、ことごとく失敗。
立ちあがったのは、HIS会長の澤田。
ハウステンボス再生を引き受けた澤田社長は『選択と集中』をしました。
澤田社長はパーク内を「無料ゾーン」と「有料ゾーン」に分け、「無料ゾーン」にはベンチャー企業を呼び寄せる等、単なる“テーマパーク”に捕らわれない、多様な客を集める戦略に出ました。
■豊かさを創る質問■
・あなたは、ビジョンをありありとまるで観てきたように鮮明に目で見て、耳で聞いて、身体で感じて、味わって、香りをかいで、臨場感を感じていますか?
・あなたは、お客様に満足していただくこと、感動していただくこと喜んでいただくことを常に考え実践していますか?
・あなたは、『長所進展法』や『選択と集中』を繰り返していますか?
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<魔法のレシピ>
まるで見てきたように、ありありとビジョンを語ろう!
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◆ハウステンボスのゾーンを「無料ゾーン」と「有料ゾーン」に分けた理由は何故ですか?
2つあります。
①ハウステンボスのパーク内を「無料ゾーン」と「有料ゾーン」に分けることで、3分の1の「無料ゾーン」には経費がかからなくなったのです!
ハウステンボスに、東京ディズニーランドの1.6倍もの広さはいらないということです。
なぜなら広いと、それだけ、光熱費などの経費がかかります。
やはり事業では、コストを下げることがとても重要なことですから。
さらに「有料ゾーン」に、店を集めてそこにお店を集中することで、閉まっていたお店を全部開けました。
◆②変わりに「無料ゾーン」にはベンチャー企業を呼び寄せる等、単なる“テーマパーク”に捕らわれない、多様な客を集める戦略に出ました。
そこには、世界から面白いビジネスが来ます。
将来はハウステンボスをビジネス観光都市にしていくように構想をしているのです。
ハウステンボスじゃ3世代が楽しめるようにしていこうと考えています。
子供の日とかは、子供が喜ぶショーやアトラクションをやる。
普段は、綺麗なお花を植えて、大人が楽しめるようにしたのです。
そしてハウステンボスに来たら、新しい発見がある!新しい学びがある!ということころにしていこうと考えています。
ただコンセプトを間違えるとちぐはぐになりますから。注意しています。
ハウステンボスは、まだ57点くらいですね。
◆再建への道④ 「他の企業の力を借りる」澤田社長は、「無料ゾーン」にベンチャー企業を誘致した。
・英会話教室・・・遊びながら英会話が身に付く教室
・アンチエイジング・・・より若く、より美しく、健康関連などのお店がはいっています。
ハウステンボスの「無料ゾーン」に入居する企業にとっては初期投資が少なくてすみ、ハウステンボスには、「無料ゾーン」では人件費などのコストがかからないというメリットがあります。
ハウステンボスにとって、この「無料ゾーン」が年間6億円のコスト削減になっている。
それだけではなく、そこは将来ビジネス観光都市にしていこうと考えています。
◆澤田社長が、今度は上海に現れた。
澤田社長は豪華客船を上海ー長崎まで運航する。
運賃は片道7800円からと超格安です。
そこで中国人観光客をハウステンボスだけでなく、太宰府や大分などへお客様として呼び込むということです。
澤田社長の再建によって客足が戻りはじめたハウステンボスですがしかし、長崎の商圏は、東京の商圏の20分の1しかなく、国内からの集客は難しい。
そこで澤田社長が考えたのが、長崎と上海を結ぶ豪華客船だ。
運賃は7800円と格安。
澤田社長は、ハウステンボスから出資して、本当は100億円以上する豪華客船を、円高も味方して30億円で購入した。
◆ところがこの豪華客船は完成まで、あと5日が期限なのに、中国人の工事業者は平気で休んでいる。
しかもいい加減な仕事で人工芝を貼っている。
工事がおくれているのに平氣で休んでいる中国人をみて澤田社長はいいます。
『前途多難だな。でも、こういうときこそ明るく、元気に、楽しくやります。』
◆「お客様は東京から呼び込もうと考えているのですか?」
『飛行機で考えると、関東からなら、1時間40分かかります。上海からなら、1時間20分ちょっとです。
しかもマーケットはアジアのほうが関東より数倍大きいですから。
東京より近くて、マーケットの大きい上海から集客していきます。
『アジアの顧客を呼び込め!』ということだ!
欧米の金融危機で世界は揺れていますが、アジアは伸びています。
ハウステンボスだけではなく、阿蘇や太宰府や別府など九州観光を廻っていただいたらいいと思います。』
◆澤田社長はいいます。
ハウステンボスを将来、東洋で憧れの、ビジネス都市、観光都市にしていこうと思っています。
いよいよアジアの時代が来ると思います。
欧米は金融危機ですがアジアは着実にあがっています。
長崎はアジアに一番近いという条件が整っていますので、アジアで一番の観光都市、ビジネス都市になればいいかなと思います。
アジアの時代を見据えた、国際都市、長崎にしていこうと思っています。
その理由は、アジア全体が成長している。そして長崎がそこに一番近い場所なのです。
◆ハウステンボスは、お客様が満足していただく、感動していただく、喜んでいただくためには、まだやることはたくさんあると思います。
自分から楽しい事をやる、自分から良い物を創ると思えば、必ずお客様に伝わりますから。
澤田社長のビジョンを聞いていると
『ソフトバンクの孫正義社長が2010年6月25日に発表した 新30年ビジョン』
を思いだします。