この国を出よ/大前 研一
¥1,470
書籍『この国を出よ』の中で、ユニクロを展開する
ファーストリテイリングの柳井正会長はいいます。
『何を売りたいか』ではなく『顧客は何を求めているか?』ということが重要です。
ユニクロの大ヒット商品である「フリース」も「ヒートテック」も「顧客の創造だった!」
■豊かさを創る質問■
・あなたは、顧客が望む新しい価値を提供していますか?
・あなたは、『自分の仕事を認めてくれる人』
『自分の仕事に対して喜んでお金を出してくれる顧客』を一人でも多く増やしつづけていますか?
・あなたは、雇用を創出し、従業員の自己実現を計っていますか?
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<魔法のレシピ>
企業の目的は顧客の創造である
Pドラッカー
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◆柳井正会長がPドラッカーの思想から何を学び、具体的にどうビジネスに繋げていったのかを説明されています。
「企業の目的として有効な定義はひとつしかない。すなわち顧客の創造である。」
書籍『現代の経営』ダイヤモンド社:Pドラッカー
Pドラッカーの哲学の中でも、柳井正会長がもっとも影響を受けたのは『顧客の創造』というキーワードです。
Pドラッカーはこれこそが『企業の目的である』と説いています。
◆ビジネスに携わる人は皆それなりに努力はしているでしょう。
でもその成果に対する評価を上司だけに求めていないでしょうか?
もちろん上司の評価は必要ですが、どんなビジネスであっても最終的な評価をくだすのは『顧客』です。
柳井正会長は、Pドラッカーの『顧客の創造』というキーワードを
『自分の仕事を認めてくれる人』
『自分の仕事に対して喜んでお金を出してくれる顧客を一人でも増やしていくことがビジネスの本質なのだ』という意味に解釈しました。
◆要するに、『企業側が何を売りたいか?』ではなくて『顧客が何を求めているのか?』を追求するのがビジネスなのです。
自分たちがどんなに良いと思える商品をつくっても、それが顧客の望むものでない限り、独りよがりにすぎず結果にも繋がらないのです。
これを言い古されたお説教だと感じる人もいるでしょう。
しかし、本当にそれができている企業はどれだけあるでしょうか?
◆古い業界だから!とか、景気が悪いから!だとか、聞こえてくるのは言い訳ばかりです。
でも柳井会長に言わせればユニクロも山口県宇部市の商店街から出発した中小企業で、繊維という衰退産業の象徴のような舞台で戦ってきました。
もちろん失敗も山ほど経験してきましたが、それでも成果を残すことができた理由にはPドラッカーの言う『顧客の創造』を実行してきたからに他なりません。
◆ユニクロの知名度を一気にあげるきっかけとなったフリースはまさにこうした信念から生まれた商品でした。
1990年代の後半、東レから原料を買い、インドネシアで糸を紡ぎ中国で編むという方法で、これまでにない低価格のフリースの販売を実現しました。
そして社会現象といわれるほどの爆発的な売れ行きを記録しました。
当時はフリースという言葉冴え知らない人も多く、殆ど誰も注目していなかった商品です。
◆それでも軽くて温かく、洗濯なども簡単なこの商品を安く提供できれば欲しいと思う人はたくさんいるはずだ!と考えたのです。
そして現実にユニクロに興味がなかった人たちが来店し、フリースをまとめ買いしていくという現象が起りました。
『低価格で高品質のフリースという新しい価値を提供することで潜在需要を掘り起こし、顧客ではなかった人を顧客化することに成功したのです。』
◆2009年に5000万枚を売り上げた『ヒートテック』も同様です。
発想の発端は防寒のための女性用下着いわゆる「ババシャツ」でしたが単なる温かいというだけでは新しい価値は提供できないと考えました。
そこで、温かいだけでなく、薄くて着心地がよく、これまでの肌着にはなかった豊富なカラーやデザインをそろえることで、アウターとしても着られる商品に進化させたのです。
◆柳井正会長は、こっそり自社の店舗の様子を視察するのですが「ヒートテック」を売り出したときもお客様の様子を見にいきました。
そこで驚いたのは、店内で携帯電話をつかって会話をしている人がたくさんいたのです。
「ユニクロにいるんだけど、ヒートテック買って帰ろうか?」
「何色がいい?」
などと商品を手にとりながら話しているのです。
◆このとき柳井会長は、お店に来ている人だけでなく、電話口の向こうにいる誰かが、新しい顧客になっていく様子を目の当たりにしましていました。
自分だけでなく、周囲の人にも使って欲しい!と思える商品を世にだすことができたのです。
Pドラッカーの言う、『顧客の創造』という意味を噛み締めた瞬間でした。
※ユニクロはこちら
https://www.uniqlo.com/jp/
◆ビジネスの本質を教え、成功に導いてくれる「先生」が、近所の書店やインターネットで簡単に手に入るというのにそれを使わない手はないのです。
『企業は社会の公器である』
このPドラッカーの言葉には、企業のあるべき姿が集約されています。
顧客が望む新しい価値を提供し、社会に良い変革をもたらし、雇用を創出し、従業員の自己実現を計る。
ここから、自分は何をしたいのか、あるいは何をしなければならないのかが見えてくるのではないかと思います。
■『この国を出よ』はこちら
この国を出よ/大前 研一
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<魔法のレシピ>
■ 企業は社会の公器である
Pドラッカー
■ 顧客が望む新しい価値を提供し、社会に良い変革をもたらそう
■ 雇用を創出し、従業員の自己実現を計ろう
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