現状を正しく認識して、改善策を実践しよう  書籍『この国を出よ』より

この国を出よ/大前 研一

¥1,470

書籍『この国を出よ』をの中で大前研一さんは、日本国をひとつの
『巨大企業』になぞらえた場合の『経営再建策』について書かれています。

 

■豊かさを創る質問■

・あなたは、現状をただしく認識していますか?

・あなたは、グローバリゼーションのなかで、国ごとの税制が常に富裕層や企業から、比較れていることをご存知ですか?

・あなたは、どうすれば日本国内でどんどんお金が廻り景気がよくなると思われますか?

 

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<魔法のレシピ>

現状を正しく認識して、改善策を実践しよう

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■大前研一さんの 家計と個人消費の現状」■

映像(73分)はこちら!

https://hootsuite.com/pages/owly6oqfu

 

◆ 2010年7月の選挙で民主党は惨敗しました。

その結果「消費税の税率引き上げ」を柱とする税制・財政改革の議論を棚上げにしてしまいました。

ここで日本の財政危機をもう一度おさらいすると、日本の借金は2010年6月末の時点で900兆円の大台を突破。

この金額は、年間の国の税収の24倍に上ります。

『公的債務 対 GDP比』は200%に達し、これはヨーロッパ中を巻き込んで深刻な経済危機を引き起こしたギリシャの120%を大幅に上回る最悪の状況となっています。

 

◆問題は現在の財政状況を考えたら、「消費税」の増税は不可避だということです。

ただ、世界的に見ると、間接税つまり「消費税」の増税は、直接税つまり「所得税」や「法人税」が高いままでは難しいというのが常識です。

両者はトレードオフ(経済的に両立しえない関係)にあります。

つまり、所得税や法人税をもっと低くして、使う人にはもっと使ってもらう関係にしないと、経済はシュリンク(縮小)していくのです。

 

◆主要国では「個人所得税」の最高税率は引き下げ傾向にあります。

日本が50%(地方税10%を含む)に対して、ドイツ、オーストラリアが45%、イギリスが40%、アメリカが35%、

なかでも低いのは11.5%のスイスと0%のモナコです。

「法人税」も同様に、各国の税率引き下げ競争が激化しています。

日本では地方税を加算した実行税率は約40%になりますがヨーロッパの平均は25%、シンガポールや香港、台湾などのアジア諸国にいたっては10%台まで下げてきています。


◆実際、税務戦力に優れた日本の企業はすでに法人税率の低いアジア諸国などに生産・販売拠点を移し、税負担を大幅に軽減しています。

当然、その分日本の税収が減る訳ですが、これはボーダレスに展開する企業の経営者なら当たり前の判断であり攻めることなどできません。

ちなみに、日本の国税当局は法人税率25%以下の国をタックスヘイブン(租税回避地)と呼んでいるそうですがそれが本当なら、今や日本以外の世界中がタックスヘイブンということになってしまいます。

 

■最後に「相続税」はというと、こちらも殆どの国が廃止にむかっています。

一方、日本の相続税の最高税率は50%と突出して高いのですがその割には、日本の税収総額に占める割合は1.6%に過ぎません。

富裕層や事業継承が必要な企業の心理的な負担感のほうが非常に大きく、デメリットが上回っていると感じます。

■日本が今の税体系の根本を変えない前提なら、「所得税」と「法人税」の大減税と、「相続税」の廃止が有用な改革になるでしょう。

しかし、日本に海外からたくさんのマネーを呼び込むには、その程度の改革ではインパクトがありません。

税制のフルモデルチェンジともいえる、「所得税」と「法人税」の全廃資産課税のの創設によって「稼ぐ力」を一段と鍛えるべきです。

 

◆そんなことが可能なのか?といぶかる向きも多いと思いますが「所得税」と「法人税」の『全廃』で日本が世界一のタックスヘイブンになれば、世界中の富裕層や企業が続々と集まってきます。

彼らが日本にどんどんお金を落とし、投資し、あふれんばかりの雇用をもたらします。

もちろん「所得税」を免除された人々の個人消費も活発化し、景気を押し上げる原動力になります。

そのときに「消費税」20%ということであれば、極めて有効に機能します。

しかし、今の個人も企業も萎縮した状態で「消費税」を上げれば、単に消費を手控えるだけでしょう。

◆こうして国内でどんどんお金が廻る仕組みをつくりながら、眠っている「資産」には課税します。これが「資産課税」です。

「資産課税」の税率は1%十分です。

個人金融資産の1400兆円と不動産資産を合わせれば、国民の資産は2500兆円に上り、税率を1%に設定しても25兆円の税収が見込めるからです。

法人部門を加えればさらに10兆円くらい増えるでしょう。

◆「資産課税」に加えて、「消費税」は現在のような形から、ヨーロッパ型のVTA(付加価値税)にします。

VTA(付加価値税)のイギリスでの例では、食料品や日用品(書籍や子供服)を除く商品に17.5%が課税されています。

VTAであれば、日本で生産される付加価値の総体であるGDPに税率をかけることになるので、仮に10%としても50兆円の税収が見込めます。

「資産課税」で25兆円~35兆円、「VTA(付加価値税)」で50兆円合計75兆円~85兆円の税収を得れば、「所得税」と「法人税」を『全廃』しても国家の運営に不安はありません。

◆これに公務員の削減や公共工事や子供手当を廃止する方向にすすむことができれば、日本もプライマリーバランスの黒字化だけでなく、国債の元本を償還する目処がついてきます。

未来の見えないその場しのぎの増税論は一刻も早く辞めるべきです。

それよりも、「所得税」と「法人税」の「全廃」という強烈なインパクトで世界から投資を呼び込むことが、経済の再生と再建に繋がる一つの方法だと思います。

■『この国を出よ』はこちら

この国を出よ/大前 研一

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<魔法のレシピ>

■ 世界の富裕層や企業は、常に魅力的な税制を提供する国を求めて漂流している

■ 未来を見据えた魅力的な税制で海外のからたくさんのマネーを呼び込もう

■ 国内でお金がどんどん廻る仕組みをつくろう

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